黒い家

微熱は下がって健康体に戻りました。いえい。

読んだ本のこととかと言いながら、本のことぜんぜん書いとらんかった。

最近読んで衝撃的に怖かった本。

貴志祐介さんの「黒い家」です。

以下、ネタバレ少し含むかもなのでご注意ください。

 

はじめの方はわりと、保険業のお仕事小説という感じで、こんな仕事があるのね〜、ふぅ〜んと余裕で読んでいたのですが、突如怪しくなる雲行き。呼び出されて行ったおうちで、首を吊って死んでいる少年を見てしまう主人公。

少年を自殺に見せかけて殺した犯人は誰か、読んでる人はたぶん主人公より先に気づくのではないかなと思います。それ故に主人公の行動に、なんでそんなことする??いやいらんことせんと、さっさと逃げて!!!と思いながらはらはらしっぱなしです。

ここまでも十分怖いのですが、なんと言ってもラスト、犯人が主人公を殺そうと追いかけてくるところのこわいことと言ったら!!息を止めつつ、とにかくハッピーエンドであってくれ!と念じながら一気に読みました。結果、ハッピーではなさそうなエンドでしたが…。

一点、わたしが気になったのは主人公の兄は本当に事故で死んだのかな?というところ。

わたしはてっきり、母親が生活苦から兄を殺したのでは?と思いながら読んでいました。お母さんは保険業のお仕事をされていたから、その辺詳しそうだし…。

母親はリスには触れなかったと主人公は言っていましたが、実はそれは周りを欺くための演技で、保険金欲しさに兄を突き落としたか、あるいは兄がそこに行くようリスを置いておいたとか…。

人を殺してしまったことにあまり罪悪感を感じなかった主人公が、実は兄は母に殺されたのだと知って、自分も保険金欲しさに平気で人を傷つけたり殺したりする人間なのではないか?と絶望するのかな〜と思っていました。が、どうも違うようです。とっても子ども思いのお母さんのようでした。お母様、大変失礼致しました。でも兄の死の真相は主人公が母親から聞いた話で終わってるので、自分の説を諦めきれないです。むーん。

我々には理解できない存在サイコパス!ってラベルを貼って怖がるお話も良いですが、実はその境目って曖昧なのでは?あなただって、わたしだってふとした弾みにそのことに気づいちゃうかもよ?的なのが好みですが、現実にそういう人と出会ってしまったらそんなことも言えないのかな〜。いやー、絶対出会いたくないけどな、というちょっとした矛盾を言いつつ終わりとします。終わり。